いつの間にか定着した夏といえばホラー。今年は冷夏だと言われたけれどやっぱり暑い。ホラーゲームで涼んじゃおう。
ねぇねぇ 知ってる? H県A市にある・・・ もう使われていない 古い廃道 そこ でるらしいよ 真夜中に 車で走ってると 声が 聞こえてくるんだって・・
ストアより
友人のA子に頼まれ、心霊スポットへと出かける。使われていない廃道で聞こえる「止まれ」という声には従ってはいけない。止まってしまうとどうなるのか。なぞの少女の正体とは。
心霊話が好きな友人のA子と、心霊話が苦手な"私"。A子はなんだかふわふわした口調で廃道に行くことを楽しんでいる。
怖い噂話の真相を確かめていくホラーノベルゲーム。選択肢がありエンディングはたくさん用意されている。
文章の表示スピード調節、スキップ、チェックポイント選択、エンディングギャラリーといった便利機能がある。
グラフィックは実写とイラストが混ざったような雰囲気で、特に目が特徴的・印象に残る。グロテスクなものは登場しない。
クリーチャーが登場するのでもないし、音で驚かすものでもない。「止まれ」「助けて」悲鳴など音声は流れるため、遊ぶ際は周囲に人がいないか確信にしておこう。
あまり詳しく書くとネタバレになってしまうので書くことがなくなってしまうのがもどかしい。
ただ、始めたときの想定よりも違う結末だったことだけは確かである。全てはっきりしないと嫌だという人にはいまいちかもしれない(少しのなぞが残るので)。しかしそこはホラーらしくて良いかと思う。
たくさんあるバッドエンドに関してはなんだこれ?というものもある。例えば「睡眠薬入りドリンクを飲まされ、うたた寝をしてしまい事故死」というような顛末がはっきりしている場合はあまりない。シナリオというか設定を考えれば、そういうものかと考えることはできるが。
このゲームは正直に言うとストレスがたまりやすい作りになっている。
選択のたびに広告が表示されることは、繰り返し文章を読むタイプと相性が最悪だ。もはや嫌がらせレベルなので改善したほうが良いだろう。
もうひとつは、スキップが機能していない点である。ノベルゲームや恋愛アドベンチャーなど、選択肢と複数エンディングがあるゲームには、一度読んだ文章を高速で次の選択肢もしくは未読までスキップできる機能がある。
ところがこのゲームの場合は文章を一括表示するだけで、ページ送りは自分でしなければいけなかった。5段階調節できる文章表示スピードの意味がない。
結構な頻度で強制的にゆっくり表示される箇所があるのもテンポを悪くしている。
動画を見れば好きなチェックポイントから始めることができるが、いつでも自由にできるわけではないので注意。あるタイミングでできるが、別のタイミングではできないこともある。これはいわゆるフラグの問題なのだろうか。
とはいえ課金要素なしで、動画を見さえすれば何回でもできる便利な機能であることは間違いない。
ハードルをあげるかもしれないが、そこにあったのはストレスを凌駕する好奇心であった。絶賛できるシナリオではないが次々と明らかになっていくにつれ、では真相はどうなのだろうと指が休まることがない。
心霊スポットの「止まれ」の正体をぜひご自身の目で確かめてほしい。